【授業紹介】養護概説

在学生有志のあつまり、KKS(Kenko Kagakuka Supporter)が健康科学科での授業や実習について紹介します!
今回は、1年生秋学期に開講される「養護概説」を紹介するレポート記事です。


<健康科学科 2回生Iさん>

1年生の秋学期に履修する養護概説の授業は、全15回の授業を通して、養護教諭の基本となる仕事内容や保健室運営の仕方などを学び、養護教諭とは何なのかを考えることができる授業です。

養護教諭には、児童生徒が抱える健康問題を把握し、解決するための支援や、現在発生している健康問題だけでなく、将来問題が発生してしまったときも適切に解決できるよう、子どもたち自身が能力を身につけられるような支援・教育が求められています。また、養護教諭の多くは、各学校に1人配置または少人数配置であり、スクールカウンセラーや担任の先生など学校内部や、学外の機関との連携も欠かせません。どのような時にどの機関と連携をとるのか、チーム学校として児童生徒を支援していくのか考え、対応していくことが必要です。

講義では、日常の保健室運営や年間の運営スケジュールの組み立て、健康診断、来室者の対応の仕方など細かく仕事内容を学ぶことができます。また、自分が児童生徒側であった時代では考えることが出来なかったことや、出逢った養護教諭と重なる部分も多くあり、あの時の対応にはこんな思いがあったんだなと思い返しながら理解していくことが出来ます。

<授業の様子>
<授業の様子>

15回の講義を通して、事例を基にした演習やミニロールプレイ、保健室掲示物の作成なども行いました。事例を基にした演習では、怪我をした児童に対し、養護過程の3段階に分け、養護教諭はどのように行動するのか、誰と連携をとるのか今まで学んだことを活かし考える機会になりました。養護過程というのは、健康問題の解決のための支援のプロセスのことで、「健康問題の把握」、「養護診断」、「養護計画」の3段階に分かれています。怪我の状態の把握や救急処置だけでなく、完治するまでの経過観察も養護過程に含まれるため、怪我をした児童のメンタルケアや保護者への連絡も重要な事だと確認することができました。

ミニロールプレイでは、2人ペアになり養護教諭と子ども役の両方を演じ、設定されている健康問題に対し、それぞれの立場からどのように向き合うのか考えていきます。養護教諭役を演じた時は、子どもの心を傷つけないように言葉を選び考えながら発言することを心掛け、無言になってしまうとより不安が強くなってしまったり、気まずくなったり可能する可能性もあるので、無言の時間を作らないようにすることを意識しながら取り組むようにしました。

養護教諭になった時にこのように対応していきたいと自分の中でも深く考えることができました。また、他の学生の考えも取り入れることが出来るため、自分だけの考えに捉われずこのような考えもあるんだなと良い刺激になりました。保健室に来室する児童生徒は、様々な悩みや不安を抱えているため、頭痛や腹痛など同じ症状でも体調不良なのか、心理的な部分から起こっているのか、体調不良の訴えに隠れている問題は何なのか考え対応していくことが重要だという事に気が付きました。

さらに養護教諭は児童生徒の鏡となり、中立の立場にいる必要があります。感情的になってしまう場面や緊急時でも常に冷静に物事を考え、素早く適切に判断する力も身につけなければならないと考えました。また、学年や年齢によって、訴えの内容や訴え方も異なってくるため、発達段階に応じた対応や一人一人に柔軟に対応していくことも必要なことの1つだということを学ぶことができました。

養護概説の授業をしてくださった先生は、養護教諭として働いていた経験のある先生なので、学校現場の様子や経験も踏まえて授業を進めてくださいました。具体的な例をお聞きすることで、児童生徒が養護教諭に何を求めているのか、周囲の人と連携をとる際に大切なことは何なのかより深く考えながら学ぶことが出来ます。