大学公開講座を開催しました

8月10日(土)13:30より、第17回関西福祉科学大学公開講座「養護教諭の実践力を培うボランティア活動の成果と課題」を開催しました。参加者は、学生も含め、94名の方にご参加いただきました。

健康診断ボランティアは、本学の地域連携公認プログラムとして認定いただいている事業です。この事業は、柏原市教育委員会と市内の小学校・中学校・幼稚園と本学が連携して実施しており、本年でちょうど10年目を迎えました。そこで、この事業が養護教諭の実践力育成にどのようにアプローチできているのかを振り返り、この活動の成果と課題を共有する機会としました。

シンポジストは、

  • 京都女子大学 発達教育学部 教育学科教授 大川尚子氏
  • 柏原市教育委員会 教育部 学務課長 安田典子氏
  • 柏原市教育委員会 教育部 学務課主査 金碇なぎさ氏
  • 柏原市教育委員会 教育長 新子寿一氏

の4名の方々です(登壇順)。

大川先生には、本事業のスタートに携わった養成機関側のご経験から、安田先生には、本事業をスタートされた経緯のご説明と学校現場及び大学のニーズを捉えたうえでの、成果と課題を教育委員会の視点からご提言いただきました。金碇先生には、現職養護教諭として、学生ボランティアを受け入れたご経験を踏まえて、検診における学生の活動の評価と今後の課題について養護教諭の目線から、新子先生には、豊富な教員経験、管理職経験を踏まえて、行政と学校と大学の三者が協働して養護教諭の実践力育成を図る本取組について、行政のお立場からご提言いただきました。

本事業の意義と成果については、

  1. 学校側のニーズと大学のニーズが合致したところで、事業が継続されてきた。
  2. 学校側は、学生がボランティアで活動することで、先生方が子どもを見る余裕や時間の確保につながった。
  3. 学生は、養護教諭の職務を学び、子ども理解が深まった。
  4. 学生は、本活動を通して、健康診断業務についての知識・技術の習得につながった。

今後の課題として、

  1. 学生のコミュニケ―ションの力をつけるとともに、聞くことが大切。
  2. 受け入れる養護教諭は、後輩を育成することが大切。
  3. 大学においては、本事業の単位化の検討を進める。
  4. 本事業の報告の機会を設けて、日程調整等について協議する。

等があげられました。

本事業について、教育委員会、学校、大学が一同に会して、振り返る機会をシンポジウムの形で持ったことの意義は大きく、さらに学生の養護実践力と養護教諭の実践的指導力育成の成果と今後の発展への期待を確認して、閉会としました。大学としても、養護教諭実践力の育成のプロセスを研究的に分析して、言語化(論文化)していく予定にしています。

コーディネーター:健康科学科 斉藤ふくみ


地域連携に関する内容:「https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/chiikirenkei/