【授業紹介】保健科指導法Ⅰ

在学生有志のあつまり、KKS(Kenko Kagakuka Supporter)が健康科学科での授業や実習について紹介します!
今回は、3年生春学期「保健科指導法Ⅰ」を紹介するレポート記事です。


<健康科学科 3回生Kさん>

3回生春学期に履修する「保健科指導法Ⅰ」では、全15回の授業を通して、「小学生が生涯、健康で生きていく力を育むための能力開発を目的とする保健指導力を習得すること」を目的として、授業が行われます。保健教育を行う際の指導案の作り方や授業の進め方について、他の履修生と意見を共有しながら学ぶことができます。主に第1~4回目までは学習指導要領の内容について講義を行い、第5回目頃からは受講している学生がいくつかの班に分かれ、班ごとに模擬授業の発表があります。

2022年度は、第1回~第3回目までが遠隔授業となり、授業動画や教科書を見て、小学校学習指導要領の内容を読み解き、そこから求められている保健教育について学びました。また、45分間の保健指導案と5分から15分ほどの短い保健指導案をインターネットなどで自ら探し、内容の読み取りを行いました。

第4回目からは、対面授業が始まりました。6人から7人の班に分かれて題材に沿った指導案を作成します。例えば、「歯みがき」や「栄養」、「睡眠」などの題材があり、班ごとにバラバラの題材を選び、学生同士でオリジナルの保健指導案を作成する課題に取り組みました。異なるテーマを選ぶため、様々な題材の指導案を共有し、見ることができます。毎回一つの班が45分間の模擬授業を行い、残りの時間で意見交換を行います。所属している班の模擬授業日までに指導案を完成させ、必要なものの作成や練習など準備を行うため、空きコマなどに班で何度か集まらなければいけません。指導前の事前アンケートも行いました。

<作成した指導案>

模擬授業は、養護教諭・担任・板書・パワーポイント操作・児童などの役割に分かれて行います。模擬授業を見るときは、「児童役」と「傍観者(観察者)」に分かれます。「児童役」は対象の児童になりきって模擬授業に参加し、「傍観者」は模擬授業の進め方だけでなく、児童の反応など模擬授業の様子全体を見ます。模擬授業後の意見交換では、発表した班とは別の班が司会や書記を担当し、進めていきます。これは、話し合いの場での司会の回すことや見やすい板書を書くことの練習にもなります。児童役は答えやすかった発問や良かった点、答えにくかった発問について意見を出し、傍観者は工夫された点や良かった点、改善点について意見を出し、全体で共有します。

<模擬授業で使用したオリジナルのプリント>

毎回の授業後には、授業の感想や学んだこと、頑張っていた人とその理由を提出するため、模擬授業をただ見るだけでなく、みんなの準備している姿・発表での姿をよく見て、頑張りを探すことが大切です。養護教諭は児童生徒一人一人の良さや頑張りを理解し、見守っていくことが必要だと思うため、将来養護教諭になった際の練習になると思います。模擬授業で養護教諭役をする人はセリフが多く頑張りが見えやすいため、その他の役割をしている人や指導案や教材作りをメインに頑張っていた人にも目を向けるように心がけました。

担当の岩崎和子先生は、養護教諭として働いていた経験のある先生で、児童の興味を引く問いかけ方などのコツを良い例と悪い例を挙げながら説明して下さり、授業の内容だけでなく授業の進め方についても学ぶことができます。模擬授業や意見交換が早く終わって時間が余るときには、模擬授業を行った班に対して、改善点のアドバイスと実際に模擬授業の一部を改善してやり直してみるという時間が設けられます。例えば「緊張して早口になってしまう」・「児童の反応を見ずに次々進めてしまう」など多くの人がやってしまうことについて取り上げることが多いため、アドバイスを受けている班以外の人も話を聞いて、改善前と改善後の違いを体感し、自分の模擬授業に備えることが必要です。話すときの抑揚や間の置き方を少し変えるだけでも、聞きやすさや児童の意見を聞き、向き合おうとしている姿勢が伝わるようになり、今後、保健教育をする際に参考にすることができます。